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任意整理すると貯金も返済にあてなければならない?

2016.01.22 任意整理


任意整理自己破産や個人再生と決定的に異なる点は、「裁判所の関与」です。
自己破産、個人再生は自分の源泉徴収票、給与明細、不動産登記簿、預金通帳、車検証など、財産や収入に関するあらゆるものを提出し、裁判所からチェックされます。そして自己破産では、目ぼしい財産が一定の範囲を除いて配当に充てられます。
これに対して任意整理は債権者がこれらのものを見るわけではなく、提出を求められることはほぼないといえます。任意整理で必要になるのは「毎月の弁済の原資がどれくらいあるかを債権者に(法律家がついているときは代理人に)伝える」というだけであり、いわば自己申告なのです。しかし、和解した通りの支払いを2回分滞った場合は残額を一括払いしなければならないことが一般的なので、しっかりと自分の支払い可能額を把握した上で和解しないと後で大変なことになります。

和解したとおりの返済さえできれば貯金は維持できる

上記のように、任意整理の場合は裁判所というチェック機能が働かないため、自分自身の家計の把握力が求められます。返済可能額の自己申告となるとどうしても見通しが甘くなりがちですが、月々の出費だけではなく、車検代や冠婚葬祭など臨時の出費も考慮した上での算定が必要です。しかし、それさえきちんと計算し、和解した内容での返済が確実にできれば貯金を維持することは差支えないですし、誰にも貯金のことを知られることはなく、それを咎められるわけでもありません。
家族に内緒で債務整理したい人にとっても、貯金残高が減らないで済むことはメリットになります。利息の再計算をして、もし元本が大幅に減額していればかなり返済しやすい金額になっているはずから、自分の収入の範囲からやりくりして返済できている状態なら家族にばれる可能性はかなり少なくなるでしょう。

返済が滞りそうな時は貯金を取り崩す必要性も

では万一、何か事情があって返済ができなくなりそうな時はどうすればよいでしょうか?あまりにも貯金を維持することに固執して、任意整理で取り決めた返済が約定通りにできないとなれば本末転倒です。もし、返済途中で自己破産に切り替えるなどということになれば、結局貯金は20万円程度の金額以上は配当に回されてしまうため結果的に失うことになりますから、それなら潔く最初から任意整理の支払いにあてた方が良いのです。
なお、2、3ヶ月以内に解消する理由で一時的に支払ができない事態になったら債権者にきちんと連絡し、返済できそうな日付を具体的に提示しましょう。何も連絡せず、約束通り返済もせずに放置という状態だけは避けなくてはなりません。


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