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闇金から借りパクできるのか?返済義務の有無とリスクを考える

2022.01.08 闇金


闇金からお金を借りるときに「どうせ相手は違法業者だから、上手く借りパクをすることができないか」そんな風に考える方もいらっしゃいます。

では、闇金から借りパクをすることはできるのでしょうか。

このページでは、返済義務やリスクについて考えてみましょう。

闇金から借りパクすることは可能なのか

まず闇金から借りパクをすることは可能なのでしょうか。

「闇金」とは出資法を超える利率で貸付を行なって、貸金業法の規制を守らない違法な業者のことをいいます。

また、「借りパク」とは借りてそのまま返済しないことをいいます。

法的に返済義務はない

闇金は出資法に違反する行為で、その違反については刑事罰が定められている、犯罪行為です。

また、闇金は貸金業法に規定されている登録義務を無視して、無登録で営業をしています。

さらに、同じく貸金業法に規定されている取り立て規制にも違反する方法で取り立てを行います。

これらの貸金業法違反にも刑事罰が定められているので、その意味でも犯罪行為であると言えます。

犯罪行為に使用された物品については返還を求めたとしても、その請求を認めないことが民法708条に規定されています(不法原因給付)。

実際には逮捕される可能性が高いのでこのような訴訟は起こしませんが、仮に闇金が民事訴訟で返済を迫ってきた場合には、高金利の利息はもとより、借り入れた元金についても返済する義務はありません。

そのため、闇金相手に借りパクをすることも、返済義務が無いという意味では可能ということになります。

よくある借りパク策

よくインターネットで言われる闇金相手の借りパク策について検討してみましょう。

プリペイド携帯の使用

まず、申込みにあたってプリペイド携帯を利用して借りようというものです。

いざ督促を受ける時期になったときには連絡がつかなくなっているというものです。

これにより、確かに本人とは連絡がつかなくなるので、その部分では有効である可能性があります。

しかし、闇金からお金を借りるにあたって、本人の情報のみを取得するということはなく、親族・勤務先・子の通学先など、督促をするためのありとあらゆる情報を聴取します。

闇金のターゲットは返済を延滞していたり、債務整理をしたりしたことが原因で、いわゆるブラックリストとなって借入ができなくなっている人です。

中には、闇金相手に借りパクをすることを企んでいる者も居ることは、闇金の側でも承知しています。

そのため、これら周辺の情報に矛盾があると貸付をしてもらえません。

仮に職場の情報を流せば、その職場に闇金の攻撃が始まることになり、職場の信頼を大きく失い、場合によっては退職を余儀なくされるでしょう。

プリペイド携帯を用意したくらいでは闇金から何事もなく借りパクをすることはできないと考えましょう。

勤務先について虚偽の報告

勤務先について虚偽の報告をすることを考える人がいます。

たとえば、勤務先自体は正直に報告しておきながらも、虚偽の電話番号を教えるようなケースから、勤務先自体を偽るような場合まで様々です。

勤務先自体をただしく教えておきながら虚偽の電話番号を教えたとした場合でも、昨今ではスマートフォンでインターネット検索をすれば電話番号は検索可能です。

その結果、通常どおり電話番号を教えた場合と変わらず督促の対象とされるでしょう。

虚偽の番号を教えたことによって、怒った闇金が執拗に督促をしてくる可能性も否定できません。

勤務先を偽った場合にはそもそも貸付してくれない可能性があり、さらには親族など他にしれている連絡先などへの攻撃を強める可能性が高いです。

偽造の身分証明書

虚偽の身分証明書を利用して借入をしようとする人がいます。

つまり、Aさんが身分証明書を偽造してBさんという名前で闇金から借り入れをしようとするものです。

しかし、このような借入の仕方をしようとしても、借入をする金銭を振り込んでもらう口座が別名であったような場合には、そもそも貸付を受けられるものではありません。

借りパクをしようとして偽造の身分証明書を利用しても、そもそも借りられないでしょう。

偽口座の使用

最後に他人名義の銀行口座を使って、お金を借りようとする場合です。

つまり、AさんがBさん名義の銀行口座を使ってお金を借りようとする場合です。

まず、他人の銀行口座を利用すること自体が犯罪収益移転防止法違反になる犯罪行為であるほか、申し込み名義人と振込先が違う時点で闇金がお金を貸しません。

そのため、借りパクをしようとして偽口座を使用しても、借入することができないでしょう。

闇金での借りパクのリスク

闇金から借りて、借りパクをすることにどんなリスクがあるかを確認しましょう。

また、借りパクの法的な扱いについて確認しましょう。

詐欺罪に問われる可能性がある

返済する意思がないにもかかわらずお金を借りる行為は詐欺罪に問われる可能性があります。

万が一闇金が捜査の対象になり、闇金が貸し付けた人として警察の捜査の対象になったときに、借りパクをしたことが露見してしまう可能性は、極めて低いですが0ではありません。

その他の犯罪が成立する可能性

例えば、返済を免れる目的で、実際には勤務していない勤務先を勤務先として指定して、返済をしない場合にはその職場が集中的に闇金から攻撃を受けます。

このような結果をもたらす行為は、その職場に対する偽計業務妨害罪が成立します。

これについては、その職場に対する犯罪として、闇金とは独立して刑事罰の対象になりうる行為だと言えるでしょう。

悪質な取り立てにあう

闇金はもともと悪質な取り立てを行うのですが、借りパクのつもりで虚偽が発覚すると、さらに執拗に攻撃をしてくる可能性が否定できません。

悪質な取り立ての手法は次のようなものがあります。

嫌がらせ電話

電話での嫌がらせは闇金の中心となる取り立ての手法です。

脅迫的な文言を使うことはもちろん、中には嫌悪感を覚えさせるような内容に至るものもあり、多種多様に嫌がることをしてきます。

電話は本人はもちろん、借入の際に闇金に伝えた職場・親族など全ての連絡先にされます。

本人以外に督促をすることは、貸金業法で禁止されているのですが、闇金はそもそも貸金業法を守るつもりはありません。

もし借りパクをするつもりで何か嘘をついていたような場合には、これらの連絡先に借りパクをするもりだったことを伝えられた上で、その電話での取り立ては極めて執拗なものになることが予想されます。

身に覚えのないものが宅配される

闇金の取り立ての手法として、電話の次によく利用されるのが、宅配サービスなどを利用したものや、110番通報・119番通報です。

自宅や職場、親族などの所在地が判明している人に対して、次から次へと宅配がされますし、警察や消防車・救急車が呼ばれます。

当然いたずらなので応じる義務はないのですが、周りに迷惑をかけることで心理的な圧迫を狙ってくるのです。

中には、デリヘルなどを呼ぶものまであり、かなり精神的に堪えます。

口座や携帯電話を作って送るよう指示してくることがある

実は、このような取り立てをしない代わりに、まだ口座を持っていない銀行口座を作ることや、スマートフォンの契約と送付などを頼まれることがあります。

これらは場合によっては闇金から費用を払ってもよいという打診がされることもあります。

これらの口座やスマートフォンは、闇金の営業のために利用されたり、特殊詐欺に利用されたりします。

その結果、闇金という犯罪行為や、特殊詐欺に手を貸したという幇助で刑事罰に問われることがあります。

実際に闇金が検挙される際に、口座やスマートフォンを提供した人も一緒に逮捕・書類送検されるケースは跡を絶ちません。

絶対に利用しないようにすべきであるといえます。

直接的な行為に及ぶ可能性は低い

闇金というと、テレビやドラマの影響で、胸ぐらを掴んで殴る、家に上がり込んでくる、女性の場合には無理やり車に乗せて風俗店で勤務させる、ということを想像する方も多いです。

しかし、これらの直接的な行為は、闇金にとっては逮捕される危険を伴います。

闇金は通常数名のグループで行動をしているので、一人が逮捕されると芋づる式に逮捕されることになりかねません。

また日本全国に貸し付ける人がいるため、直接的な行動を起こすために遠距離を訪問するのは費用倒れとなる可能性が非常に高いです。

そのため、直接的な行動をとることは心配する必要はありません。

弁護士・司法書士から依頼を断られる可能性がある

闇金は後述するように最終的には弁護士・司法書士に相談・依頼をして解決するのが最も近道です。

しかし、弁護士・司法書士に依頼する際に、偽造をする・虚偽の内容を伝えるなどしていることがわかった場合には、依頼を断られる可能性があります。

弁護士・司法書士は依頼を受けるかどうかは自由であり、借りパクをする目的で闇金から借りていたなどの事情を知ると、報酬をきちんと払う意思がないと判断して依頼を断るのです。

警察に相手にしてもらえなくなる警察に相談をして闇金からの督促を止めるように話してもらうことがあります。

しかし、このときに借りパク目的で偽造の身分証をつかった、他人名義の口座を使ったような場合には、それもまた犯罪です。

犯罪者同士の揉め事の解決に警察が助力してくれるわけでもなく、場合によっては相談をしに行ったことが原因で捜査の対象となる可能性も否定できません。

借りパクする気がなく闇金の被害にあっている場合

では、すでに借り入れをしていて、当初は返すつもりではあったけども、返済しきれなくなってこのまま借りパクをするしかないと思った場合の対処法にはどのようなものがあるでしょうか。

まずは返済をやめる又はしない

借りパクは良くないことですが、すでに借りてしまった場合には、結果として返済しないことが解決の近道です。

というのも、頑張ってお金を作ったり、親族や職場に返済をしてもらったりしても、闇金は「返済できる人」という認識を持つだけです。

その結果、貸し付けの案内を集中して送ってきたり、場合によっては押し貸ししてきたりすることもあります。

警察への相談は解決しないこともある

当初から借りパクするつもりでなかった場合には詐欺罪に問われるなどはないので、警察に相談することも検討の一つです。

しかし、警察では闇金と一時的に話してくれることはあっても、夜通し攻撃してくる闇金に対応してくれるものではありません。

中には「民事不介入」と言って全く取り合ってもらえないような場合もあります。

警察への相談は最終的な解決に向きません。

弁護士・司法書士に相談・依頼して解決しよう

実は弁護士・司法書士に相談・依頼して解決するのが最も近道です。

上述したとおり、闇金は違法に入手した携帯電話・スマートフォンと銀行口座を利用して営業しています。

弁護士・司法書士は携帯電話・スマートフォンや銀行口座を利用停止・凍結するように携帯キャリアや金融機関に依頼をします。

そのため、弁護士・司法書士に依頼されたことを知ると何もしないでそのまま手をひく闇金が多いのです。

闇金問題の解決には弁護士・司法書士に依頼をしましょう。

どれだけお金が必要でも闇金で借りパクはしない

たとえお金が必要な状況でも、闇金から借りパクをするのはよく有りません。

次のような方法を検討しましょう。

消費者金融の利用

消費者金融の利用を検討しましょう。

すでに大手数社から借りていて、それらが貸してくれないというのであれば、中小規模の消費者金融から借入してみましょう。

過払い金の見直し

2010年6月18日の改正された出資法が施行される以前から消費者金融に借り入れがあった場合には、利息制限法以上出資法未満のいわゆるグレーゾーンで借り入れをしていた可能性があります。

それが長期間にわたる場合には、グレーゾーン金利を残高にあてて、場合によっては返してくださいと主張することが可能です。

この返してもらうお金のことを過払い金と呼んでいます。

過払い金の請求をすると、最低でも4ヶ月程度は解決にかかるので、早めに弁護士・司法書士に相談をしましょう。

生活福祉資金貸付制度の利用

市区町村が生活に必要なお金を貸し付ける制度があります。

これはいわゆるブラックリストであっても借り入れをすることが可能です。

手続きの窓口は地域の社会福祉協議会が窓口となります。

緊急小口資金の貸し付け以外は、借り入れに2ヶ月程度の時間が必要になるので、必要になりそうなときには早めに相談をするようにしておきましょう。

まとめ

このページで闇金相手の借りパクについて中心にお伝えしてきました。

借りパクはハイリスク・ローリターンで、自分の信用をあらゆるところで無くし、救済を得られなくしてしまう可能性があります。

ただもう借りている場合には仕方ないので、早めに弁護士・司法書士に相談をしましょう。


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